ライブドアとフジテレビの知恵比べ
フジテレビがもしニッポン放送株の25%を取得すれば、ニッポン放送が現在所有するフジテレビの22.5%部分を占める議決権を失うことになる。
これは商法241条によります。
商法241条ではA社が持つB社に対する議決権比率が25%超となれば、B社のA社向け議決権は、株式をいくら保有していても自動的に消滅すると定める。
つまりフジテレビがもしニッポン放送株の25%超の取得に成功すれば、ニッポン放送はフジテレビに対して議決権を失うことになる。
即ちニッポン放送の大株主であるライブドアもフジテレビに対する支配権を事実上失うことになる。
そしてここがフジテレビ側の狙いのわけです。
しかし堀江氏はニッポン放送株を増資することで、それに対抗していこうとする策を公表しましたが、実際には“公表した”ということは“増資策はとらない”と見るのが順当なところだと思います。
しかしフジテレビの戦略の前に立ちはだかるのが放送法です。
放送法によると
放送会社の議決権総数の20%以上を外国人投資家が保有した場合に放送免許は取り消されると規定している。外国人の放送局への関与を限定するためで、株式の名義書き換えに応じると、外国人保有比率が20%以上になる場合は、放送会社が名義書き換えなどを拒否できると放送法は定めている。
ここでミソとなるのが議決権なのである。
放送法の言う20%以上というのは議決権総数だということなのです。
フジテレビの外人の外国人議決権比率は17.9%。
しかしもしニッポン放送株のTOBに成功したとするとニッポン放送はフジテレビに対して議決権を失うことになる(前述)。
つまり総議決権総数は単純な話、75%となる。
外国人議決権比率が17.9%だとして変わらないとするならば
17.9%÷75% となり
外国人議決権比率は約24%となり、フジテレビは即免許取り消しとなる。
もちろんフジテレビだって、それに対する対策は十分に練っているでしょうが、果たしてこの戦いはどうなるのでしょう?