マネーマネジメント 1

個人投資家・トレーダーを問わず、いわゆる負け組みに入る多くの方たちが陥りやすい間違いが「相場は当たれば勝てる」との思い込みである。


「当たっても儲からない」、「外れても儲かる」と言うマーケットの特殊構造を理解できない限り、行き当たりばったりの当たり・外れ売買から卒業は出来ません。



例えば、10回の売買を行うとする。A氏は1回勝って9回負けた。
勝率は10%。

B氏は9回勝って1回負ける。勝率90%である。

当たり外れだけ見れば、B氏はすごく当たり、A氏は全然当たらない結果だが、状況次第ではB氏が儲からず、A氏が儲かる場合もあるのだ。



10回の売買のうち、小さく9回買って大きく1回負けるとどうなるだろうか?

反対に、9回小さく負けて、1回大きく勝てばどうなるか?

良く当たるB氏は儲からず、ほとんど当たらなかったA氏が儲かったと言う結果となる。

ちょっとした事に気付くか否かが、後々大きな差となって現れてくる。


どのようなマーケットにおいても「当たる≠儲かる」「外れる≠儲からない」であり、「市場における勝ち≠当たる」「市場における負け≠外れる」なのである。負け組み投資家は、相場予想(予測)に重点を置きがちだが、儲けるための2本の柱は、「相場予測」と「マネー・マネージメント」。相場格言に「損は小さく、利は大きく」とあるが、損小利大を成すために必要なのが、この「マネー・マネージメント」である。利を伸ばす事は、相場の動きに頼るウェイトが高いが、損を小さくする、つまり損切りは、自分でコントロールできるものである。



1万ドルを100万ドルにした事で有名なラリーウィリアムズ曰く、マネー・マネージメントとは「勝ちを最大限に、負けを最小限にする方法」。実際の運用において重要なのは、予想の的中精度の高さ以上に、予想が的中している時にどれだけ資金を増大させ、予想が裏目に出た時にどれだけ資金の減少を最小限に抑える事が出来るか、である。ラリーウィリアムズが飛躍的な成績を成し遂げたキーポイントも、この「マネー・マネージメント」だった。